短編其の壱

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バァンッ! 町外れの大きな城の一室で、相応しくない大きな銃声が鳴り響いた。 その音が鳴った部屋には、赤い血溜まりに横たわる女と泣き叫ぶ女がいた。 「白雪!白雪ぃ!!」 ‐‐‐‐‐‐‐‐‐ 今日で私だけが、23歳になった。 私だけ。 三年前の事件。 私の双子の姉、白雪が何者かに銃殺されたあの日。結局三年たった今でも、解決していない。 私の家は、昔から王家に遣える名家で、王様と一緒の城にいる。ここで生まれる人達は、皆頭が良くて、外見も綺麗で、完璧な人ばかりでした。 そんなある日、双子の私達が生まれた。 姉は、可愛くて、綺麗で、頭もよくて、なんでも出来て皆から好かれていた。 一方私は、姉に比べて何も出来ない出来損ないだった。皆から蔑まれて育った。たった一人私を愛してくれた最愛の姉を亡くした時、皆は言った。 「お前が死ねば良かったのに!!どうして白雪がこんな目にあうんだ!」 「なんで生きてるの?」 「白雪を返して!」 なんでこんな一見めでたそうな日にこんな話をするかというと、 今日が白雪の命日だからです。 だから、 今日は、使用人や父に話を聞こうと思う。 私たちのこと。 思い立って扉を開けようとドアに手をかけた時
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