1人が本棚に入れています
本棚に追加
「それにしても、あの三年前ねあの事件は酷かったな」
「あぁ、白雪様の殺害だろ?犯人ってあいつだろ?」
犯人!?
私は再びその会話に聞き耳を立てた。
「黒雪。」
私-------?
「副作用あるだろ?黒雪の場合は、人格が変わるらしいんだよ。裏の人格は思ってるコトと逆のコトするらしいぜ。」
「まじかよ。怖っ…。おいそろそろ戻るぞ。局長に怒られる。」
二人の男は、足早にその場所から離れてしまった。
白雪を殺したのは、私…!?
「うわぁあぁあぁぁぁあぁああぁあああっ…!!!!」
叫ぶと同時に、白雪を殺した記憶がよみがえった。
「誕生日おめでとう。白雪姉さん。」
「ありがとー。黒雪も誕生日おめでとう。」
「ちゃんと、誕生日プレゼント用意したんだよ?受け取ってくれる?」
「本当に?ありがとう黒雪ー!何々?」
ガチャ…
「黒雪…?その拳銃どうしたの…?」
「はっぴーばーすでー。しろゆき。」
バァン…
私がためらいなく撃った弾は、白雪の右肩を貫通した。
「うぐっ…くろゆ…」
「あはははっ…、ばいばい。」
白雪の眉間に拳銃を突きつけながら言ったんだ。
「……………。」
白雪は抵抗もせず、眠るように静かに瞳を閉じた。
「」
バァンッ!
私が放った弾丸は、白雪の眉間を貫いた。
「えっ…?姉さん。」
血溜まりに倒れている白雪。
白雪の眉間に空いた穴。そこから流れ出すまだ温かい血液。
白雪の幸せそうな顔。
私の手に握られた拳銃。
「あ…え…、嘘……」
もう肉体だけになった白雪を抱え、揺さぶった。
「ねぇさん、ねぇさん…?」
揺さぶる度に、白雪から血液が流れてゆく。
白雪は死んだ。
私が、白雪を殺めた。
全ての記憶がよみがえった私は、急いで自室に戻った。
そして、本棚に隠した拳銃を握り締めた。
弾は残り三発。
私と父と王様。
握り締めた拳銃を、バレないように
最初のコメントを投稿しよう!