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まずは、お父様。
私達を売ったあの忌まわしい男から始末しよう。
自室を出て、左側。
大きな螺旋階段を下ると、目の前にあの男の部屋がある。
丁度、私が扉に手をかけようとした時。
「黒雪。」
呼んだ主の方向を向くと、あの男の次に殺ろうとしていたやつがのこのこと出向いてきたのだ。
「お…、王様。」
「どうした?黒雪。今日は誕生日だろう?広場に行かなくていいのかい?」
「…あの、王様……。お話しがあります。」
「なんだい?立ち話もなんだし、広場で食事しながらでも…」
「いえ、誰にも聞かれたくないので、二人きりになれる場所はありませんか?」
「ほう…」
王様は少し考えて、こう言いました。
「では、私の部屋に来るといい。丁度だれもいないのだよ。防音もしてあるし、誰にも聞かれる心配はなかろう。」
「わかりました。いきましょう。」
好都合だった。
二人きりになれて、部屋は防音。殺すには、とっておきの場所だ。
だけどこの時の私は、王様の考えに気づかなかった。
しばらくして、王様の部屋に着いた。
キィ...
「さぁ、入るがよい。」
そこは、王様の部屋に呼ばれると似つかわしい豪華できらびやかなものが沢山おいてあった。
バタン...
「広いですね。」
「広いだけだ。で、話とは…」
ガシィッ!!
王様は私の手首を掴むと、王様の寝床に組敷いた。
「何を…!」
王様はにやりと下卑た笑みを浮かべると、私の腹の上に乗った。
「なぁに、ただのお遊びだ。話はそれからでもよかろう?」
そう言うと、私の服を乱暴に剥がし始めた。
まずい。
このままでは、アレが見つかる。
「王様。」
行為を早く終わらせたいのか、少し不機嫌な顔をしてこちらを向いた。
「なん…!!」
王様の首に腕を回し、思いっきり引き寄せた。
王様の顔が丁度胸に当たる。
気持ちわるい。
「乗り気なのか?黒雪。」
「勿論ですわ。王様。」
太ももから、拳銃を静かに取りだし王様のこめかみに近づけた。
そんなことに気づかない色欲にまみれた王様。
「こんな楽しいこと、二度と出来ませんもの。」
私は引き金を引こうとした。
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