56話 過去に未練

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木刀を投げ捨て 榛原が突っ込む 榛原 「ダラァアアア!!」 ダッシュで沢村に近づくが ドスッ 榛原 「イテェ!」 カウンターの回し蹴りで返された さすがに一筋縄ではいかないよう 沢村 「猪突猛進じゃあ俺には勝てないぜ?」 榛原 「俺の何を知っとんじゃボケェ」 倒れて付いた砂を払いながら そう吐き捨てた 榛原 「まぁええわ...こっからや」 沢村 「四天王か何かしらねーけど  俺には関係ない」 榛原 「お前ここら辺で桜難四天王知らんのかいな?」 沢村 「まぁ...俺がこの街に帰ってきたのも  つい最近だからな」 榛原 「最近...  ところでお前...ワシと同じ目しとるわ」 沢村 「同じ目?」 榛原 「何か過去にあったんやろ?」 何故か同じ境遇を感じる 沢村も不思議な気持ちになってきた 沢村 「話すと長くなるから」 榛原 「まぁ他人に話したところで  なんのこっちゃないわな」 しかし今は違う 二人とも過去に何があろうと 今は信頼できる仲間がいる それで埋めようとは思わない それで埋めてくれたらどんなに楽か だが前を向くしかないのだ 二人はそれを悟っている 未練を残して生きていかないと決めた それが二人にとっての過去の背負い方なのだ 榛原 「深く話す必要もないらしい」 沢村 「フン...続きを始めようぜ」 そんな二人は一段と強くなっていた
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