56話 過去に未練

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ーーー青龍 屋上ーーー 屋上特有の風が鳴り響く 吸い殻の何本かは下へ落ちていく 実力者が戦える神聖な場所には 今二人の獣が差を決めようとしていた ドラゴン 「ちったぁ強くなったんじゃねぇか?」 九崎 「わかんねぇ」 拳の重さを理解する上級生達は何を思い、何を覚悟して戦いに臨んだのか 人は争うことで何を得られるのか 喧嘩するものなら 道の途中で一度は思うことだろう 九崎 「桜難は変わったのか?」 ドラゴン 「あ?」 九崎 「前と変わったのかって聞いてんだよ」 少し考え ドラゴン 「どうだろうな...」 九崎 「...お前が頭張ってんだろ?」 ドラゴン 「それは違う」 九崎 「......」 ドラゴン 「頭なんて器じゃねぇし、めんどくせぇからよ。なんせ桜難に頭が出来たことないだろぅな」 九崎 「俺はお前を推すぞ」 ドラゴン 「頭にか?」 九崎 「ああ」 ドラゴン 「フン...嬉しいぜ」 何だか懐かしいこの感じ 一年前を思いだす ドラゴン 「桜難は表上は四天王とか言ってライバルみたいに持て囃されてるけど 実際は皆情深くて純粋なバカ野郎の集まりだからな...団結力は予想以上にあると思う」
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