2、標的

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「でねー!校門で春夢を待ってる間にね、桐原くんが来て!ばいばい、だって!きゃーっ!!」 桐原くん、という言葉にドキッとした。 希楽と2人で歩く帰り道。 いつもと同じ道だけど、私の心は普段と全く違った。 ほんの十数分前のことを思い出す。 桐原くんは、 先生を殺した、殺人鬼。 …だめ、また震えちゃう。 俯く私を心配そうに覗き込む希楽。 「ちょっと春夢、大丈夫?さっきから顔色悪いよ…?」 「大丈夫、なんでもないよ」 希楽は納得していない表情だ。 警察にいわなきゃいけないのは分かってる。 でも、言えるわけがない。 言ってしまえば、また誰かが殺されるかもしれないんだ。 それが、この希楽でないとも言い切れない。 私は、自分が間違ったことをしていることも、彼に怯えていることも理解していた。
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