黒猫

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ご飯を食べているときも、寝ているときも 油断はできない。いつ、違う派閥に 攻められるかわからないから。 小さい時から戦争だった。 お母さんは居ない。 たった1人だった私を、シュウは拾い 黒猫の仲間にしてくれた。 そこでここの奴らと出会い、なんだかんだで 今年18歳になる。 シュウに見せてもらった昔の写真。 そこはとても綺麗で、空が青くて 緑があって。 今の世界は、暗い空、血生臭い空気。 地面にはいくつもの死体。 昔の世界に憧れた。 写真の中で生活したかった。 でも。 今は生きることに必死で、毎日が 生と死の狭間で。 今までで、何人殺しただろう。 そう思えば自分の存在に寒気がした。
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