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僕たちは幼稚園からいつも一緒だった。
小中高と同じ道を歩んだ後、僕は調理の専門学校へ、郁斗と昴それぞれ別の芸術大学へ、悠希は大学へ行かずにエロの道へ進んだ。
それはあまりに呆気ない別れで、4人共納得がいかなかった。
新生活が始まって2ヶ月くらいか、郁斗から一斉送信のメールが届いた。
内容は確か、また4人で会いたいとかそんなんだった気がする。
可愛い郁斗からの誘いは断れるはずがなく、新しくできた友人の誘いを全て断って会いに行った。
二ヶ月ぶりの再会はずっと一緒だった僕たちにとって本当に久しぶりに感じられた。
でもやっぱり二ヶ月しか経ってないのでこれといった変化は見られなかった。
悠希の仕事の話はさすがに耳を塞ぎたくなるところがあったけれど、それぞれの新しい生活の話は聞いていてとても楽しかった。
そして、全員が一人暮らしをしていることを知った。
バイト代だけでは日々の生活も危うく、料理のできない面々は外食費も加算されて金欠もいいところであった。
そこで4人で話し合った結果、4人で暮らそうということになった。
最初は長期のお泊り会のような感覚だった。
仲の良い友達と自宅じゃないところで暮らす、というのは初めてのことが多すぎて戸惑った。
そして現在も全員が就職をしているが、いまだに一緒に暮らしている。
恋人よりも大切って言えちゃうくらい家族同然の僕たち。
でも今までの関係が崩れていくなんて誰も予知していなかった。
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