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夕方になって、私はホテル近くのワルンでナシチャンプルーを食べていた。
すると…
「あ~!クタビーチの彼女!彼氏いるの嘘ついたね~!」
あの ワヤンって男だ…
「ヒトリなら案内するよ!」
なんて言ってるし…
「いや、私は一人が気楽だから、ごめん構わないで」
と素っ気なくした。
「なんだよ~せっかく友達になったのに~」
って。
バリ人の民族性なのか、このワヤンの性格なのか、知り合ったら「友達」なのか…
「バリ舞踊案内するよ!友達だからお金いらないよ!」
食事の後にバリ舞踊を見に行く予定ではあった。
私は このワヤンという男がどんな人か知りたい と興味もあった。
お金を要求されたら 「お金いらないって言ったよね!」って言ってやろうと思って、とりあえず、ワヤンと一緒にバリ舞踊を見に行く事にした。
「ナマエ、聞いてないよ、なんて呼んだらいい?」
まぁ 名前くらいいいか。
「私はアユミだよ」
って教えた。
ワヤンは、踊りの意味や、物語の内容を詳しく教えてくれた。
「ワヤンは、日本人にいつも こうして教えてるの?」
と聞くと、一瞬顔色が変わった。
私は、単刀直入に聞いた。
「ワヤンはジゴロなの?」
ワヤンは、また一瞬顔色を変えたが、ニッコリ笑って
「違うよ、ただ日本人が好きなだけだよ~」
と答えた。
それが本当かどうかは解らないが、この旅の間だけは「友達」でいようと思った。
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