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しかし、その空気を破ったのは蓮南さんだった。
蓮「フッ…それもそうですね。では、どうぞ近衛くん。」
鏡「ありがとうございます。」
どうやら中に入れてもらえるようになり、僕は導かれるままに中に足を踏み入れた。
彼、御門院 蓮南は金持ち、権力者トップ五本の指に入る程の実力を持つ御門院の次男で、情報網が半端ない。
僕には負けるのだよ。
まぁ、そんな彼はどうやら僕の正体を知っていたらしく、現にさっきからずっとこちらを伺ってくるのだよ。
蓮「どうぞ、そちらにおかけ下さい。」
鏡「ありがとうございます。」
僕は指定された席に座り、蓮南さんを見た。
彼は常に完璧だ。
隙すらなく、冷酷で何事に対しても情を見せず、的確な判断をして様々な権力者達を潰してきた。
故についた徒名が『潰し屋』
けど、そんな彼には。
誰にも知られていない欠点がある。
それは弱点とも言い、僕はそれを知っている。
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