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蓮「交渉…だと?」
鏡「そうなのだよ。これは一種の契約なのだよ。僕はこの学校で穏便に生活したい。貴様は怜夜に思いを告げたい…ならば、ここは一旦、協定を結んだ方が互いの身のため…そうは思わないか?」
僕も正体をバラされるのは少々めんどくさいし、カイとの約束があるからな。
しばらくの沈黙の後、御門院は腹を括った顔をしてこちらを見てきた。
蓮「いいでしょう。協定を結ぶことには賛成です。しかし、私は弟のモノを奪うほど、鬼畜ではないので怜夜くんの事は諦めます。………その代わり…」
ふむ。
困ったことになったのだよ。
蓮「貴方が、私の恋人になって下さい。アレクサンドリア……いえ、近衛鏡弥くん?それが、協定の条件です。」
にっこり良い笑顔でサラッととんでもない発言をしてくるこのイケメンを誰かなんとかして欲しいのだよ。
鏡「残念ながら、僕は異性愛者なのだよ。それに、僕にフラグが立つのはカイだけにして欲しいから、その条件は飲めないのだよ。」
蓮「おや。私と言うものがいながら早速浮気発言ですか。いけないハニーですね?」
鏡「僕は貴様のハニーになった覚えはないのだよ。それに、その条件は呑まぬと…」
蓮「いけないですねぇ…貴方は、分かっていない。逃げれば逃げるほど、狩りは楽しい。まぁ、そこが醍醐味といいましょうか?ではさっそく…」
僕の話を遮ってまで自分の話を続け、終いには抱きつきにくるこの変態をどうしたものか、と口元をヒクつかせながらも必死で逃げ回る僕の行動は正しいのだよ。
鏡「僕も狩りは好きですが、残念ながら狩る側でして…ですのでせっかくのお誘いは却下・拒否させて頂きます。」
いつでも営業スマイルを忘れない僕も正しいのだよ。
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