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鏡「いえ、作ってくれた方にお礼を申し上げたくて…ありがとう御座います。とても美味しそうですし…また後ほど、感想とレシピの作り方などを伺いに行ってもかまいませんでしょうか?」
「いえ!!そんな…生徒様にそのような…」
鏡「……生徒様?」
なんだその不愉快な名称は…
「あ、はい。ここの生徒様は我々ウェイターやシェフよりも立場が上なお方ばかりですので…」
鏡「では、私の事は近衛…とお呼び下さい。」
「この…えぇ!?そ、そんな呼び捨てだなんて滅相な…」
鏡「私は、生徒様と言う名前ではありません。故に、名前を呼んで頂きたいのです。それに、貴方様の方が年上で御座いますので呼び捨てで構いません。そして、敬語で話さなくてもいいです。」
「しっ…しかし…」
頑なに、名前呼び捨てを拒否するウェイターだな。
頑固なのも困りものなのだよ。
鏡「……私は、貴方様の作ったこのカルボナーラが気に入ったのです。美しく素晴らしい見た目、食欲を誘う優雅で暖かい香り、出来たてで湯気が溢れるがちょうどいい食べやすい温度……全てが私の中で一番を取り、最高のカルボナーラだと言うことを示しているのです。」
「……………」
ポカーンとしているのだよ。
その間に一口。
鏡「…………やっぱり…思った通りです。私好みの甘過ぎず、しつこすぎず、アッサリしているもそのソースはまろやかで……こんな暖かい食べ物は久しぶりです。」
カイの作る料理も最高だが、このウェイターのも最高なのだよ。
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