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「理由はわかんないの?」
答えてくれないということは父は知らないのだろうと思って尋ねたのだが、どうやら違うらしい。
「お前がもう少し大きく…そうだなぁ、14歳になったら教えてやろう」
「それって・・・」
「前に、お爺ちゃんにも似たようなことを言われたはずだけどもう忘れちゃったかな」
覚えている。
だって、その言葉が原因なのだ。
この神社になぜ神様がいないのか気になって、それでも誰にも聞けずに、自ら行動を起こした末に見つけたのがあの穴なのだから。
「神様がいないのに神社なんておかしいとお前は言っていたな。神様がいなくなった後も、どうしてずっとこの神社を守り続けてきたのか、人々が信仰を続けるのか、すべて話そう」
そう話す父の顔は、眉を下げて情けない顔だった。
そしてやはり、あの目をしていた。
「お父さんも…子供の時、不思議だった?」
「いや…そういうこともあるのかと、受け入れてたかな。15になる時、お爺ちゃんから全て教えてもらったんだが、お前とは立場が違うから、同じ感情は沸かない。お父さんの意見なんて参考にはならないよ」
立場が違う。
その言葉がとても重かった。
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