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気になったら盲目に突き進んでしまう。
そんな無鉄砲な面も自分にはあった。
そして、御神体のない本殿の謎は、私の盲目的な興味をそそるものであった。
他人から知らされる真実への恐怖により誰かに答えを求めることはなかったが、自分が納得のいく答えを自ら探しだすということに、ためらいも怖気もなかった。
小学6年生の夏、私は人目を避け、神社の中を探ることにした。
まずは一番怪しい本殿を探るべきだと考えたのだが、ここで問題が起きた。
本殿の中に入ることは親から禁止されていたし、そもそも本殿には錠がしてあるため入ることができない。
それとなく壁に隙間がないか、扉の合わせから中が見えないか調べてみたのだが、中を伺う事はできなかった。
しかし、普段立ち入らぬ本殿の周りをうろついたことにより奇妙なものを発見することになる。
それは本殿と拝殿の間にあり、拝殿側からは目に触れることがない。
社の間に植えられている低木の影になる場所に、不自然にそれはあった。
人1人がなんとか入れる幅の、深さのそれなりにある穴が地面に開いていたのだ。
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