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父さんも一緒だったのに…
何処にも………
キョロキョロと見渡した目に
映ったのは水溜まり。
黒い水溜まり。
なぜか不安になった俺は
母をそっと下ろし
動かない足を引きずって
その水溜まりに近付く。
徐々に近付く水溜まりは
段々と鮮明に見えてきた。
紅い紅い水溜まり。
薄黒い紅(ｱｶ)の血溜まり。
だが…其処には何も無かった。
『父さん……？』
移動した？生きてる？
キョロキョロと見渡すが
何も見えない。
…ﾁｮﾝ
微かに聞こえた水気の音。
…ﾋﾟﾁｬﾝ
ゆっくりと血溜まりに
視線を戻す。
『……え…』
ふと空を見上げる。
『…あ…ああああ…っ』
其処には崖から樹が生えていた
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