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未来は教室にかけられたカレンダーを見た
夏休みまでは一ヶ月もあるというのにグループ学習の話をした意図がわからなかった
「イツキさん、なんでこんな一ヶ月も早く夏休みの宿題の話なんてするんだ?」
それは未来だけが考えていたことではない
クラス中がその小さな疑問を持っていたのだが
楽しい雰囲気に皆忘れ去ってしまっていただけだった
「いい質問ですね」
岡村は教卓の端に手をかけ少し前のめりになった
「皆さんが今日話し合いをしたグループ学習のテーマを私は纏めなくてはなりません、また皆さんのテーマが学習内容として相応しいものか考察しなければなりませんし、みなさんが困らないよう学習のヒントを都度提供しなければなりません」
そこまで言い切ると岡村は体を起こしいつもの優しい笑みを向けた
「夏休みまでの一ヶ月間に皆さんがテーマに沿って学習しやすい環境を作る為、こんなに早く皆さんに提示したのです」
「さすがイツキさんっアタシらのことよくわかってるよっ」
「これでも一応、教師なんですけどね、はははっ」
………。
「でもさ、アタシらのテーマはもう決まりでいいんでしょ?」
明菜が未来の背中越しに声をかける
「いいんじゃねぇの?」
その問いに直ぐ様未来が答えた
「じゃぁさ、フライングして土曜日あたりからはじめちゃわない?」
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