―始―

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明菜からの提案を未来は聞き流そうとしたが これまでの経験上、明菜の提案を無視することがどれほど自分にリスクのあることなのか十分に理解していた。 未来は面倒だと思いながら頭の後ろでにOKサインを出した 明菜のニンマリ笑う顔が容易に想像出来たが未来は振り向くことはなかった。 未来が集中力を切らしたころ ふと気が付くと窓の外に目をやっていた 校庭に何やら動く物を視界の端で捉えた (女の子?) ヒラリと揺れたように見えたそれは衣服のように見えたが 実際にそれを確認しようと目を凝らした時には既に姿を確認することは出来なかった。 「…?」 怪訝な表情をしたのが悟られたのか 窓側に身を乗り出したから悟られたのか 明菜に肩を叩かれたことで 未来はようやく教室に意識を呼び戻した 「未来、何してんの?」 「あそこに人がいたような…」 未来は外を指差した
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