―始―

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岡村は生徒達を鎮めると簡単に明日の連絡を話しはじめた 生徒達の注意が薄くなってくるのを感じたのか岡村は早々にHRを切り上げようとしていた 「という訳なので、先週お配りしたプリントをまだ提出していない方は早めに提出してくださいね、では少し早いのでこのまま教室で待っていてください」 「未来」 義明に声をかけられ未来は振り向いた 「どうした? 今日はどこ寄ってくんだ?」 「ちょっと待った!」 そこへ明菜が割り込んだ、その表情は嬉々としていたので未来は少し億劫になっていた 「とりあえず聞いてやる」 とりあえずという言葉にやや不満気な明菜であったが気を取り直し、少しだけ偉ぶった様子になった 「今日は皆でクレープでも食べに行かない?」 「なんで?」 明らかに未来は嫌そうな表情をしている 「食べたいから」 明菜もあっさりと答えた あまりにあっさりしているので呆気に取られた未来と義明だったが 一つため息を吐くと義明が切り出した 「未来、負けだ負け、明菜に付き合おうぜ」 「ったく…しゃぁーねぇーなぁ~」
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