序章

2/2
前へ
/54ページ
次へ
 広大な演習地に、数機のヘリコプターがロープを垂らしてホバリングしている。 「降下始め!!」  合図と共に、迷彩服に防弾ベストや小銃等を装備した自衛隊員は、ロープを掴んで地上へと降りる。  …ヘリボーンの訓練だ…  そして、六組目の一人が降下しようとして、ロープを掴んでヘリから足を離した直後…   バギッ… 「へぇ?」  不気味な音をした直後、彼は重力に引き摺られて… 「ウワアアアアア!!」  …落ちた。原因は、ロープの昇降装置の止め具が折れた為、ロープが昇降収納機ごと落ちたのだ。 「アアアアア!!」  彼は、叫びながら落ちてゆく… 「山塚アアアアア!!」  仲間の叫びも、今は無意味であった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加