彼の知らない世界…

5/7
前へ
/54ページ
次へ
「お邪魔しま~す」 「失礼します」  アイカと源は、村長の家に入った。 「…ほう、異世界から来た軍人さんですか?」  入って直ぐの所に、木製の事務机に座っている老人が呟く。 「…山塚 源です」  源は、老人に対して敬礼をした。 「わしは~村長じゃ」  中々渋い声を出した老人が、この村の村長である。 「…若いの~いくつじゃ?」 「26になります」 「ほう…」  村長は、顎先をかいて何やら考えている。 「…源殿…あんたさん、この村に住み着く気は?」 「ありません。私には故郷がある。そして、その故郷を護る義務が有る」  源は、村長のいきなりの提案を動揺もせずに断る。 「そうか…」  村長は、残念そうな顔をして顎先をかく。 「…何か、御困りのようですね?私の定住の件では無く…」 「…見破られたか…」  源は、村長の困り顔が定住の件ではないと見抜き、村長は降伏して軽く両手を挙げる。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加