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「まあ、賊かそこらへんかな?」
「…まあ、賊もそうだが…それより大きいものでな」
老人は立ち上がり、西側の窓に歩み寄る。
「あの建物が見えるじゃろうか?」
「…この村には馴染むことの無い白の箱型建造物ですか?」
「うむ…自然を食い物にする悪道商業集団じゃ…」
源は、老人の言葉を聞いてその後に出る言葉を予想する。
「…源殿…あの悪道共らを…」
「この村から追い出せと?」
源のやや過激な発言に、村長は苦笑する。
「まあ…幸い、国王が人と自然の調和した人道楽土を建設しておられる」
「…では、あの商業集団の悪行をしている証拠を見付けて、国王に出すと…」
「そういうことじゃ。奴等自身に、武力的な力は無い…じゃが…」
村長は、そこで言葉を切らして溜め息を吐く。
「傭兵の様に、賊を雇っていると?」
「そうじゃ…」
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