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次の日からは春休みらしく、
私は春休み明けに転入する
事になりました。
その日はとても暖かくて
体調も良かったので
家の裏にある神社に行ってみる
事にしました。
神社の階段の端には、
艶やかに咲き誇る桜が
花びらを散らして美しく舞うように石畳を染め上げていました。
「…綺麗!」
目を見張る程の桜の樹と
お札が大量に貼られた鳥居が
あった。
昔、お祖母ちゃんから聞いた
昔話に
『この裏の神社はね、鳥居の向こう側に妖怪の世界に繋がっているんだよ』
と言っていた。
私は本当だろうかと思いながら
桜並木の中を歩いた。
ふと、鳥居の方を見ると、
青年が立っていた。
さらさらと揺れる銀色の髪。
17歳ぐらいだろうか。
私が見つめているのに気づいたのか彼は振り向いた。
私は彼を凝視した。
何故ならお面をしていたから。
狐の面を着けた青年が
此方を見つめていた。
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