第一章

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「どうしたの?」 私が訪ねると青年は 「俺は人間に触れられると、消えてしまうんだ」 と悲しそうに言った。 私は青年に 「消えてしまう?」 と言うと青年は頷いた。 そして、 「お前がもう少し大人になったら教えてやるよ」 と言った。 私は幼心にこの事はあまり深く訪ねてはならないんだなと思った。 私はポケットからハンカチを取り出すとはじっこを差出し 「そっちを握って」 と言った。 青年は何も言わずに はじっこを握った。 人間に触れられないなら、 何か違うもので手をを繋ごうと 思ったのだ。 それから家の近くに続く道に でた。 「真っ直ぐ行けば家の近くにでるよ」 と言ってハンカチを綺麗にたたんで私に差しだしてきた。 私は微笑むと、 「それ、あげる」 と言った。 青年はでも、と言って 私を見た。
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