3人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
「どうしたの?」
私が訪ねると青年は
「俺は人間に触れられると、消えてしまうんだ」
と悲しそうに言った。
私は青年に
「消えてしまう?」
と言うと青年は頷いた。
そして、
「お前がもう少し大人になったら教えてやるよ」
と言った。
私は幼心にこの事はあまり深く訪ねてはならないんだなと思った。
私はポケットからハンカチを取り出すとはじっこを差出し
「そっちを握って」
と言った。
青年は何も言わずに
はじっこを握った。
人間に触れられないなら、
何か違うもので手をを繋ごうと
思ったのだ。
それから家の近くに続く道に
でた。
「真っ直ぐ行けば家の近くにでるよ」
と言ってハンカチを綺麗にたたんで私に差しだしてきた。
私は微笑むと、
「それ、あげる」
と言った。
青年はでも、と言って
私を見た。
最初のコメントを投稿しよう!