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戻りしだい連絡するつもりだった、
なんていうのは、きっと建前で…………。
ホントは、そんな気など
更々なかったのかもしれない。
そして数日後、いざ連絡を取ろうとしたものの
すでに私の携帯は、繋がっていなかった……。
たぶん、そんなとこだろう。
いっそ、思いきって聞いてしまおうか?
だけど今更、どう切り出したらいい?
「何を考え込んでるのですか?」
いきなり先輩の
不思議そうな顔が、目に飛び込んできた。
「い、いえ。何でもないです……」
今のわたしは、
ほぼ戦闘能力ゼロに近くて……
あったはずの勇気と気力は、
どこか奥の方に影を潜めてしまっていた。
「高倉さん」
「はい?」
「……ひとつ聞いていいですか?」
じっと見つめられて、思わず緊張が走る。
「な、なんでしょう?」
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