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「ですから、ね?」
視線だけを動かせて、わたしを誘導する。
黒すけのやつ、やけに静かだと思ったら
こんなところで、寝てたのか……。
私は仕方なく、先輩のとなりにしゃがみ込んだ。
「で……やっぱり、そう見えますか?」
「それって、なんの話しですか?」
「誰かさんに、そう言われてから
ずっと気になってたんですが……」
片方の眉をあげて、ちらりと視線を投げてきた。
「…………?」
ええっ?わ、私ですかっ?
思わず天井を見上げたけど……ダメだ。
言った覚えがまるでない。
「あり得ませんね。覚えてないとは……」
少し呆れたような、ため息が聞こえる。
「あの、もういいじゃないですか……ひゃっ!」
横を向いた瞬間……息がかかるぐらいにまで
大接近してきている顔があって
わたしは思わず、のけ反りかけた。
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