注意は赤

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悩みのなさそうなにっこりした全開の笑顔を見ていたら、 「…………あれ」 するすると力が抜けてどうでもよくなった俺は目についた窓枠にひっかけてあるワイヤーハンガーに吊してあったTシャツを指差した。 怒りだって持続させるには力がいる、が、そんなものはもうとうに引いてしまっていた。 どうでもよかったが、なんとなく眺めた黒いそのTシャツの表には炎をイメージしたレタリングの赤文字で6と9が描かれている。
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