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優「じゃあさ、紗英。」
安心しきっている私に、優が尋ねる。
優「俺と翔、どっちが好き?」
紗「………。」
え…?
その言葉が何を意味するのか、分からなかった。
翔「おい、優…」
それは…聞く意味があるの?
私のことなんて、オモチャとしか見てないんでしょ?
優「ねぇ、どっち?」
紗「………。」
これは…どっちが“正解”?
答えられず黙っていると、優の小さな笑い声が聞こえた。
優「冗談だよ。変なこと聞いてごめん。」
紗「……あ…」
笑って謝る優の横で
翔が物凄い顔でこっちを見ていた。
優「紗英…正解してよかったね。」
優の冷たい笑顔。
翔とは違う意味で怖い。
翔「今日も一杯鳴けよ?俺らの為に。」
そしてまた始まる、三人の秘め事。
翔「俺達から逃げられると思うな。」
優「一生離さないからね。」
私の心が壊れる前に…
この三角の迷路から抜け出せる日は、来るのだろうか…
いつかそうなることを信じて
私は今日もこの双子に抱かれる。
【fin】
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