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【翔 視点】
“私ね、好きな人が出来たの”
そんな言葉、聞きたくなかった。
人の気も知らないで
何でそんなこと笑顔で言うんだ。
お前が好きになる男は、俺か優だと思っていたのに。
子供の頃からずっと好きだった。
昔から三人一緒が当たり前。
だから考えたくもなかった。
紗英が俺達以外の男といる姿なんて。
優「まさか好きな男が出来たとはね…」
呟くようにそう言った優を横目で眺めた。
口が悪く、思ったことが直ぐ態度に出てしまう俺に対して
優は自分の考えを決して表には出さず、物静かに目的を達成する。
外面は良くても、腹ん中は真っ黒で
誰よりも冷徹。
それが俺の双子の片割れ。
本気で怒らせれば、俺でも止められるかどうか…
優「ねぇ翔…」
翔「あ?」
優「紗英のこと…ヤっちゃおうか。」
翔「………。」
あーあ。
紗英…お前は優を怒らせた。
優「俺達以外の男に目を向けた紗英には、たっぷりお仕置きしてあげなきゃね。」
こうなった優は誰にも止められない。
楽しそうに、今か今かとその時が来るのを待っている。
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