【三角の秘め事】続編

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一度だけ、 紗英に対して、本気で腹が立ったことがある。 それは高校一年の冬 優は委員会でおらず、部屋には俺と紗英の二人。 一ギシッギシッ… 夕陽の光が射す部屋に、紗英の甘い声が響いていた。 そして数回目の絶頂を迎え様とした時 紗「はっ…ぁあ…」 紗英は確かに言った。 紗「あっぁ…まさる…ッ」 “まさる” 俺に抱かれているのに 何でアイツの名前なんか呼ぶんだ。 翔「紗英っ…よく見ろっ!」 今お前の目の前にいるのは優じゃない。 この俺だ。 翔「俺は…優じゃない。」 紗「ぁ…っ…かけ、る…?」 絶頂を迎え過ぎて、意識が朦朧としてたのは分かってる。 そのせいで俺と優を見間違えたんだろうと。 それでも収まりきれない怒り。 紗英の身体に打つけるしかなかった。 好きだから… お前だけには、優と間違えて欲しくなんてなかった。 優になんか、絶対に渡さねぇ。 翔「なぁ…お前、いつになったら俺を好きになってくれるの?」 気を失っている紗英にソッと尋ねた。 俺の元から去ってしまうのなら… いっそのこと、バラバラに壊してしまえば良い。 壊れていった三角関係。 戻ることはなく、後は砂山の様に崩れていくだけだった。 【fin】
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