【三角の秘め事】続編

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ねぇ紗英… 君が昔、俺達双子に言ったこと覚えてる? “例え同じ顔でも、二人は別々の人間でしょ?” そうだよ… 俺も翔も、違う人間なんだ。 でもね… そんな当たり前なこと、初めて他人に言われた。 あの時から… 紗英だけが俺の大切な女の子なんだ。 ずっと紗英だけを見てきた。 それは多分… 翔も同じ。 だから許せなかった。 俺以外の奴に目を向けたこと。 君に好きな男が出来たと聞いた時 “紗英を奪われる” その言葉だけが、俺の頭の中にはあって… 俺の元から離れてしまうくらいなら… いっそのこと、壊れてしまえば良いと思った。 この先… 紗英の笑顔を見ることがなくなっとしても きっと俺は君を手離せない。 優「ねぇ翔…」 翔「あ?」 優「俺達…いつから紗英の笑った顔見てない?」 翔「……さぁな…」 一番好きだった紗英の笑顔も 今じゃ泣き顔しか思い出せない。 もう二度と、君の心は手に入らないだろうね。 これが、俺達双子が犯した罪の代償。 こんな歪んだ愛情しか向けられない俺達は… きっと死ぬまで君を縛り続けるだろう。 【fin】
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