【怯える君の笑顔】

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幸「高校の受験発表の日に見掛けてから…」 奈「………。」 幸「ずっと好きだった…」 頼むから… そんなに怯えないでくれ… 幸「好きなんだ…」 すがる様に、彼女の手を握る。 奈「っ…」 一瞬ビクッとなる小さな身体。 奈「うっ…こわい…」 握った手が握り反してくれるはずもなく… 泣きながら、彼女は“怖い”と言った。 俺のことが怖いと… その言葉を聞いた時 一気に力が抜けた。 ああ… 君の瞳に俺が写ることはないのだろうか… そう思うと無償に悲しくなった。 目の前に好きな女がいると言うのに… そんな彼女を怯えさせることしか出来ない… 俺は握っていた彼女の手を離した。 奈「私には…あなたが怖い…」 幸「………。」 奈「もうこれ以上、私に関わらないで…」 僅かに空いた隙間から彼女は抜け出し 俺の元から走り去って行った。 その背中を眺めながら ギュッと拳(こぶし)を握る。 .
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