【怯える君の笑顔】続編

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右足骨折の入院。 全治一ヶ月。 病室で何も考えず、ただボッーッと時間が過ぎるのを待った。 もう何も考えたくない。 従兄のことも。 思い出すだけで身体が震えた。 一ヶ月後、右足が完全に完治した時に思った。 高校で、やり直そうと。 事故でボロボロになった制服も新しくして、 私は一ヶ月遅れに高校の門をくぐった。 そして自分のクラスに入った時 奈『っ…』 息が止まった。 頭を何かで打つけられたみたいにガンガン鳴っている。 教室に、従兄がいるのかと思った。 それ程ソックリだったのだ。 あの“志田孝介”と言う男が 私を犯した従兄に。 当然のように私は彼を避けた。 口も聞かない、目も会わせない。 彼が何度か話し掛けようとしていたみたいだったけど、私はそれすらも無視し続けた。 彼には申し訳ない気もする。 でも私にはそんなことまで考える余裕がなくて… とにかく彼と関わらないよう努力した。 結果、二学期に入っても私は彼と一言も口を聞いていない。 これからも、それは変わらないと思ってた。 なのに… どうして貴方は、私に関わろうとするの…? どうして私を“好き”だなんて言うの…? 私にとって、貴方は恐怖でしかないのよ… .
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