【怯える君の笑顔】続編

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怖くない…って言えば嘘になる。 だけど、握った手から伝わる体温。 この人の手は…こんなにも温かかったんだ。 クスッ 幸「震えてる。」 奈「っ…」 どうしよう… また涙が… “怖くない”って “従兄とは違う”って思ったのに 幸「無理しなくて良いよ。今はこれだけで充分。」 彼の手が、私の手を握り返した。 奈「…ごめんね…」 今までいっぱい酷い態度とって。 貴方への恐怖はきっと直ぐにはなくならない。 だけど、私の心は明らかに変わっていた。 幸「…ごめん市川。」 奈「え?」 幸「さっき“これだけで充分”って言ったけど…」 奈「………?」 彼の視線と打つかった。 幸「ちょっと、我慢出来そうにない。」 そう言うと、地べたに座っていた私と目線を合わせ ギュッと大きな腕で抱き締めた。 奈「っ…」 こんなことされたら…私… クスクス 幸「やっぱり震えてるな。」 きっとこれはもう条件反射。 それでももう少し一緒にいたいと思う私は… きっとどうかしてる。 幸「市川…好きだよ。」 奈「…知ってる。」 多分私も、貴方と同じ気持ちだから。 【fin】
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