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一キィーッ…!!
耳障りな音と共に聞こえたのは鈍い衝突音。
突き飛ばされた俺の後ろには…
血を流して倒れている彼女の姿があった。
匡「今日から此処が沙夜の家だよ。」
事故の直後、俺は彼女をあの家へと連れて来た。
元々彼女と一緒に暮らす為に用意しておいた部屋。
まさかこんな早く使うことになるとはね。
俺を庇ってくれた沙夜には申し訳ないけど…
沙夜の目が見えなくなったあの日
“悲しい”と言う感情よりも
“良かった”と言う感情の方が確実に勝っていた。
これでもう…君が俺以外の奴に目を向けることはない。
君の瞳に俺が写ることはなくても…
この部屋に閉じ込めておく限り、君は俺だけのもの。
俺がいなければ生きていけない身体にしてあげる。
汚れを知らない君は、こんな俺の醜さにも気付いてはいない。
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