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酷い男だと、自分でも思う。
好きな女を閉じ込め、光さえも奪った。
自由すら与えない。
そんな俺を、君は愛してくれるだろうか…
沙夜…
もし俺が本当のことを言っても…
君は俺の側にいてくれる?
それとも…
俺から離れてしまうのかな?
そんなことを考えてしまったら…
本当のことなんて、言える訳がない。
匡「ごめんな…」
寝ている君の横顔に、ソッと手を添える。
離したくない。
君だけは…絶対に。
“俺がいないと生きていけない”
そうじゃない。
君がいないと、俺が生きていけないんだ。
この部屋は、君を閉じ込めておく為の檻。
でも俺にとっては…
君がいてくれる楽園。
この楽園を守る為に…
俺は今日も君にウソをつく。
【fin】
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