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彼の視線は、いつもこっちに向けられている気がする。
地味で目立たない私とは対照的に、彼はクラスの人気者。
だからそんなはずないと思ってた。
まさか彼の口から、あんなことを聞かされるなんて…
ずっと好きな人がいた。
それは中学から憧れの先輩。
サッカー部のエースで、女の子にもモテモテ。
私なんかとても近付けない、遠い存在の先輩。
見てるだけで、十分幸せだった。
そんな中、最近気付いた視線。
それは斜め後ろに座る、彼のもの。
私の気のせい?
思い違い?
そう思っても、日に日に私を見ている回数が増えてる感じがする。
そして私の“思い違い”は、
“確信”に変わろうとしていた。
それはある放課後。
一チユッ…
私の目の前には、数回しか話したことのない彼の顔があった。
男の人をこんなに近くで見たのは、初めてかもしれない。
それだけでも驚いたのに、彼の口から出た言葉にもっと驚いた。
彼が…私を、好き?
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