【視線の先には】続編

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今まで先輩しか見てこなかった。 先輩は私の憧れだし、初恋の相手。 でも…地味で可愛くもない私なんて、相手にもされないのは分かってたから グラウンドにも行けない。 教室で見てるしかなかった。 そんな私に告白をしてきたのが、先輩みたいに女の子から人気の間宮くん。 どうして私なんだろう。 私の肩に額を当てている彼に尋ねた。 純「君の視線の先に写りたかった。俺もあんな風に見詰めて欲しかった。」 涼「………。」 か弱い声は、私の脳にまで響いた。 この人は、私をからかってなんかないんだ。 涼「ごめんなさい…」 純「え…?」 涼「酷いこと言って、ごめんなさい。」 貴方のこと、信じてみようかな。 純「ちょっとずつ、俺を知っていってよ。避けられたら…ホント、堪える。」 涼「……うん。」 ちょっとずつ、知っていこう。 今度は私が見ていく番ね。 純「取り合えず、名前で呼んで?」 涼「名前?」 えっと… 間宮… 涼「純平、くん?」 クスッ 純「うん。」 わ… こんな風に笑うんだ。 彼の笑顔を、もっと見たいと思う私は… きっともう… 涼「ふふっ…」 純「ん?」 それは、私の恋の始まりでした。 【fin】
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