第二歩

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流石に可哀想になってきたので、警戒しながら近づいて青年の背中を擦ってやる。 「ケホッ。……ありがとう。大分収まったよ」 「……それは良かったですね」 真っ正面から文句を言ってやりたいが、悲しき事かな。ビビりのため、嫌みっぽく返す事しか出来ない。 恨めしく思いながら、いまだにクツクツと笑っている青年を睨んでやった。 (あら、この人よく見るとイケメンですね) ポニーテールにした長い茶髪。 くっきりした瞳に、高い鼻。 体も体で、均整がとれている。 (うわ、睫毛ながっ。女の人みたいですねぇ……) 「どうかした?」 ヒラヒラと顔の前で手を振られて、我に返る。 「な、何でもないです!」 貴方に見惚れてましたなんて、言えるわけがない。 必死に首を振って否定すると、彼は小さく吹き出した。 どうやら、またしても私は彼の壺に嵌まったらしい。
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