第二歩

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街中の様子や、目の前の人の姿。 そこから至る答えは一つ。 ――タイムスリップ。 「で、今は何年なんですか?」 いつまでも返って来ない答えに痺れを切らし問い詰める。 「何年って…………文久三年だけど?」 ………………………文久、ですと? 「嘘ついてません?」 「ついてないけど?」 「平成じゃなくて?」 「へいせい、って?」 「日本人ですか?」 「それは、こっちの台詞だよ」 「……………」 「……………」 アウトですね。 フラグが立ちましたね。 何故でしょうか。無性に現実逃避がしたいですね。 「ねぇ、へいせいって何のこと?」 「………なんだと思います?」 「新しい甘味!!」 キラキラキラ。 目を輝かせて子供の様に笑うイケメン君。 (あは、まぶしー) 「ねぇ、甘味でしょ!?」 「あは、あ、は、は、は、は、は、は、は」 「甘味なんでしょうってば!」 「ふ、は、は、は、は、は」 「うわ、なにその悪党みたいな笑い方!!」 「ふ、は、は……失礼ですね!!」 どうやら、認める他ないらしい。 ええ、認めてやりますよ。 よくありますからね。タイムスリップぐらい。アニメや、マンガで。 こんなぐらい、私にかかればどうってことありますよ。コンチクショウ。 …………さて、これからどうしましょ。
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