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慌てて逃げようとした私の周りを、柄の悪そうな男達が取り囲む。
「え、は、え?」
何ですかこの状況?
本気で、私なにか悪い事しましたか?
「面妖な格好をしよって、お主それでも日の本の男児か!!」
男児って、私はれっきとした女なんですが。
思わず飛び出しそうになったその言葉を、必死に飲み込む。
こういうチンピラみたいな人達は、黙ってやり過ごすのが一番面倒臭くならない方法だ。
(それに、下手に刺激して怒らすのも怖いですしね)
「おい、儂の話をちゃんと聞いておるのか!!」
「はい、聞いています。すみません」
「な、ふざけよって……」
瞬く間に赤色に染まっていく男の顔。
え、何故に謝ったのにキレられる?
シャン
綺麗な澄んだ音がして、男の腰にぶら下がっていた刀が抜かれる。
(え、あれ偽物ですよね?そうですよね)
もし仮に真剣だったら、銃刀法違反でムショ行き確定ですぜ、兄さん。
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