第一章 アーティスト

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 アクスにしてみれば、机に重なった領収書の整理をし、たまに事件を解決することが日課だ。  夜勤手当も支給されない現場で、部屋に帰る暇もない過酷労働が続いている。  そんなアクスの野望は、大陸の納税局に戻ることであった。  アクスは、大陸の納税局で脱税と横領の罪をなすりつけられて飛ばされた。  アーティストという部類の扱いが、皆そうではなかったが、一部の機関には馬鹿にする輩が多い。だからといって、炎系だけを練習しました。専門分野を複数を扱えますだけでは日常を渡れない。種術ができるできないは出世に大きく影響する。ましてや、数多とある種術を使いこなすには相当の訓練を必要とする。デスクワークだけでなく戦線に出向いて戦いのレベルを引き上げるしかないのだ。  アクスは、剣を持ち出した。役職が事務なので稽古は仕事帰りか、非番にするしかない。後は実戦だが、監獄島の治安は四方に分かれている警備警察事務所と自警団で保っている。島には悪党の数は多く、日々張り詰めている地域もある。  彼が勤めている第一事務所は、比較的治安が良い。  アクスは剣を中庭で振った。鍛練あるのみであった。
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