プロローグ

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〈放課後&帰り道〉 極度のめんどくさがりのおれの帰り道は、もちろん最短ルート一択。どんなに細い道だろうが関係ない。 いつも通り、薄暗い路地をくぐり抜け、家に向かう。 キハチ「・・・あれっ?」 だいたい学校から家までの中間を過ぎたあたり。 薄暗く、細い、誰も通らないような路地。 そこには昨日までなかったさびれた店があった。 汚れたガラス扉から見えるお店の中はどうやらオモチャ屋のようだった。 キハチ「マジで・・」 明らかに年季の入った佇まいで、およそ最近たったようには思えない。 こんないきなり不気味な店が現れるとか・・ これこそマンガ設定の極み!! っと、さすがのおれもツッコミを入れざるを得なかった。 その一方で、まあおれのことだから気付かず歩いてただけかとも思い、実はそこまで焦ってなかったり。 扉の上には今にも落ちそうな小さな看板があり、「よし子の部屋」と書いてあった。 本当におもちゃ屋なのか全く信じられなくなったが、この爆裂なネーミングセンスと勇気にちょっとだけ惹かれてしまった。 そのせいなのだろうか。 本当に自分でも驚いたことに、めんどくさがりMAXのおれがなんと自然と扉に手を掛けたのだった。
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