ゴーストタウンではよくあること。

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ギロ「むぅ…この街がらくたばっかりでつまんないよぉ」 そう言ってギロは、ぷぅ、とほほを膨らませた。 確かに先刻休みを取ってから、また二、三時間ほど街を散策してみたものも、あるのは廃墟と動く死体のみ。情報にある『生存者の少女』は影も形も見当たらない。 だいぶ歩いて、足もだるくなってきたところなので、一時休憩して汗でも拭いたい気分ではあったが、また大胆なセクハラを働かれるのは本意ではない。 唯濡は「いったん休憩しよう」という言葉をため息ごと飲みこみ、あたりを見渡した。 唯濡「そうだね…だいぶ歩いたのに誰にも会わないし……他の境界学園の生徒も、たくさんこの街に入ったはずなんだけど……」 ギロ「んー…生きてるニンゲンの気配はあるよ。」 唯濡「えっ!!?」 ギロ「でも感じが普通の人間と違うから、能力持ちとか異種人とか…学園の人だと思う」 唯濡「そう…」 ギロ「ちなみにこのままいくとそこの角でぶつかるよ!」 唯濡「ちょ…そういうことは早く言って……」 衝突からの転倒という情けない事故を避けるべく、角の手前で足を止める。 と、ほぼ同時に曲がり角影から人影が飛び出し、なめらかな動作で鞘から引き抜いた刀を唯濡の首元に突き付けた。
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