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完全に怒っている。
大地の目がそう言っている。
答えなきゃまた追い出される!!
そう思ったカオスは洗いざらい話そうと決意し、頬を掴む大地の手を二回パンパンと叩き言った。
「まぶ。ふぉのふぇふぉははすふぇす!」
涙目で嫌がるカオスに子供相手にやり過ぎたかなと興ざめしカオスの頬から手を離すと腕を組ながら事情を聞くことにした。
「で?何故お前が俺の部屋にいる?」
離して貰ったものの後引く痛さにカオスは頬を擦る。
その姿はムンクの『叫び』の様である。
「うー。この鍵を使ったんですよ。」
カオスは首から下げていた鍵を取り出し大地に見せる。
間違いなくこの部屋の合鍵だ。
この鍵を持っているのは実家と大家だけ…。
一体誰が渡したのか。
まず実家に聞いてみよう。
そう思った大地は携帯を取り出し実家に電話をかけ始めた。
「はい。浦野です。」
「あっ!母さん?」
「あら大地久しぶりねぇ。元気?」
「元気だけど。
それより母さん。
カオスって子知ってる?」
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