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「うー!あたいに母などおらぬぅー!
あたいはカオスというすべての原点なのですぞ!!」
「はいはい。まずは店長とお話しようか。」
嫌がるカオスという女の子をひっぱり、大地は事務室へ向かう。
「店長!休憩中すんません。
店内に女の子が迷い込みまして。」
「ん?迷子か?」
店長は書類作業を一度やめ、クルリと椅子を反転させると立ち上がりカオスに近づき問いかけた。
「お嬢ちゃん。おうちは何処だい?」
「宇宙。」
店長の質問にも可笑しな発言をするカオス。
まともに答える気がないという現れなのか?
そう考えると大地も次第にイライラしはじめる。
「おい!いい加減に…」
「まぁまぁ。大地君。
子供のすることじゃないか。
そうかい。宇宙からきたのかぁ~。
ならお巡りさんに宇宙まで送ってもらおうか。」
温厚な店長は大地が怒るのを止め、笑いながらカオスに言うとデスクの上にある電話を使い、警察へと連絡する。
「夜遅くすいません。
店内に迷子がおりまして、はい。どうやら住所もわからない様なのですよ。
はい。よろしくお願いします。
失礼します。」
店長は受話器を置くとカオスににっこり微笑みかけ言った。
「今、警察がくるからねっ。
これでおうちに帰れるよ。」
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