prolog

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「18……なんだ、あたしとあんま違わないじゃん。あたし17だし」 そういって微かに微笑む少女には、まだ女の子らしいあどけなさが残っていた。 青みがかった髪。癖を知らなそうな真っ直ぐな毛質、背中辺りまで伸びた髪はとても手触りが良さそうに思える。 東洋系か、顔立ちは整っていて、鼻筋はくっきりとそして、淡いピンク色の唇に瞳は大きめにパッチリとしていて、とても可愛らしい印象を覚える。 初見での洞察はこんな所だろうか……しかし少女の服装が特異だと俺は思う。まず日本では見かけないような洋装だ。 紺色のスカーフを首に巻いており、水色を基調としたドレスのような服を着て、服全体に模様というか刺繍のようなものが施されている。 どこかのお嬢様か? そう思わざるを得ない高貴そうな雰囲気を彼女から感じ取る事ができる。 「ね、唐突で悪いんだけどさ、あたしを聖都フィンダールまで連れて行ってくれない?」
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