53人が本棚に入れています
本棚に追加
頷く少女に対し、俺は近くに有った岩場に腰を下ろしながら言う。
「――此処ってどこなんだ?」
率直にずっと考えていた事を少女に問う。少女は「はっ!?」っとでも言いたげに瞳を大きく見開いていた。
次第に怪訝そうな険しい表情に変わっていく。
「なんで? あんた迷い人?
ギルド関連の人間じゃないの?」
ギルド……またしても聞き慣れない単語だ。察するにどこぞの組合の人間と勘違いしていたということか。
なんか変に疑念を抱かられても面倒だ。現状を知るには今の俺は都合がいい。
「実は俺、記憶を失っているんだ。何故こんなところに居るかもわからないんだ。君の問いにも殆ど答えられそうにもない」
最初のコメントを投稿しよう!