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俺がそう告げると、少女は片眉を吊り上げて豊満な胸の前で腕を組む。
「はぁ、記憶喪失ねぇ、うーん
まぁなんかおかしいなと思ってたからこれで合点がいったわ」
納得するの早くね? 少しは人を疑えよ。まぁその方が今の俺にとっては好都合だが……。
「ま、記憶を失っててもあんたが強いのは変わらないんだし、約束通りフィンダールに連れて行ってもらうわよ」
「連れて行くったって俺記憶がないんだぞ!? 勿論そのフィンダールってとこの所在地もわからないんだし――」
「だーいじょーぶ! あたしが分かってるから、あんたはあたしを護衛してくれればオーケーよ」
俺の言葉を途中で制し、あっけらかんと笑う少女。そういえば名前を訊いてなかったな。
「わかったじゃあ一緒に行くよ。その方が何かと情報が掴みやすそうだしな。色々教えて欲しい。え……となんて呼べばいい?」
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