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自分の腰丈ほどの草木が両脇に生えてはいるが、比較的道の間隔が広い為、周囲の様子は窺える。
自分の進行方向に害がないのは助かるが、じめっとした湿気と、照りつける太陽の暑さが体力の障害となる。
「暑いな……水が飲みたい。それに腹も減った」
食糧も飲料水も備えてない状態では、命に関わる重大問題だ。一刻も早く水か食糧、もしくは人に会わなければならない。
もしこのまま何も発見できなければ俺は――いや記憶が失われたまま死んでたまるか。
一瞬考えた一抹の絶望を払拭させた俺は、体に鞭を打って奮い立たせた。
そうして暫く緩やかな傾斜の獣道を下っていくと、あからさまなT字路にぶち当たり、その中央に木製の道標が有るのを発見する。
俺はのそのそと歩み寄り、しげしげと道標の文字を凝視した。
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