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「な、なんだあれ!?」
俺は目を疑った。夢なのではないかと即座に思った程だ。
少女を追跡していた者の正体――それは俗にいうモンスターと判別できる生物だったのだ。
容貌はどこか猿に似ていて二足歩行。童話に登場する鬼のような顔立ち。茶色の毛並みで手先に鉤爪を有し、赤い肌をしていて手には刺々しい棍棒を持っている。
奴らは鋭い犬歯を剥き出しにして、今にも少女に襲い掛からんとする勢いである。
少女は丸腰で武器になるような物を持っている様子はなかった。対抗する術がないから逃走しているだと俺は考えた。
少女は前を向き、俺の姿を捉えると進行方向を俺の方へ変更し、こちらに向かって疾走し始めた。
「ちょっとあんた!! コイツらなんとかして!!」
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